《北の医療》歯科技工士 若者離れ

2010年1月6日、朝日新聞に掲載された記事です。
入れ歯などを製作する歯科技工士が全国的に不足する中、道内でも確保が厳しい状況が続く。2008年度の人口10万人あたりの数は35・9人で全国平均(27・7人)を上回ったものの、実数の1988人は06年度比で100人以上減った。労働条件が厳しく、若者の歯科技工士離れが進んだためとされる。関係者は、教育体制の充実や職場環境の整備を図り、後継者を増やそうと懸命だが道のりは険しい。(平間真太郎)  歯科技工士は、歯科医師の指示に従って、入れ歯や差し歯、歯にかぶせる冠などを製作する。専門学校や大学の養成コースを卒業し、国家試験に合格して厚生労働大臣の免許を受ける必要がある。  道内で就業している歯科技工士数は00年度の2167人から減り続けている。道歯科技工士会の戸島和之理事は「若者の歯科技工士離れの影響が大きい。せっかく資格を取っても途中で辞める若者も増えている」と言う。  全国歯科技工士教育協議会の調査では、この10年間で全国の養成コースの入学者数は4割近く減少した。道内でも、旭川歯科学院専門学校が05年度に、小樽市の道立高等聾(ろう)学校が08年度に、それぞれ養成コースを廃止した。  現在は三つの専門学校(札幌市2、北広島市1)で養成しているが、学生集めは順調ではない。北広島市の北海道歯科技術専門学校では08年に初めて、定員(60人)を割った。同校の担当者は「4~5年前から受験者数が減ってきた」と話す。  歯科技工士になって数年で辞めてしまう若者も多い。道歯科技工士会の幹部の試算では、30歳未満の離職率は全国で7割を超えるといい、道内も同様の傾向という。  一方で、「高齢化」が進んでいる。08年度の厚生労働省のまとめによると、全国の歯科技工士のうち45歳以上が50%を超え、29歳以下は15%にとどまった。  こうした若者離れの原因として、長時間労働と収入の低さが指摘されている。日本歯科技工士会が06年に実施した実態調査では、1週間の労働時間は65・6時間で、03年比4・8時間増えた。一方、平均年収は436万円(43・5歳)で同57万円減少した。  労働量が増えたにもかかわらず収入が減ったのは、歯科技工士に支払われる技工料(製作料)がもともと低い上に、低価格を売りにする業者も現れて過当競争になったためとされている。技工料は厚労省告示で診療報酬の7割とされているが、歯科医師と歯科技工士の話し合いに任されており、低く抑えられるケースがあるという。同調査では8割が「告示されている料金ではない」と回答している。  こうした現状に戸島理事は「5~10年後には、歯科技工士が決定的に不足し、国民の歯の健康が維持できなくなる」と危機感を抱く。  日本歯科技工士会は若者をつなぎとめようと知恵を絞る。一つは教育期間の延長だ。現行は2~3年がほとんどだが、4年間に延ばすよう国に働きかけている。戸島理事は「資格取得までに十分な知識と技術を身につけることで若者の離職を減らせるのではないか」と期待する。換気装置の設置など職場の衛生環境の整備も進める。関係者は「歯科技工士の魅力を高め、後継者獲得につなげたい」と話す。

景気の悪い話しだけど、読んでくれた人ありがと~。 こんな状況だけどやるしかねぇっす。

1 コメント:

hane さんのコメント...

逆に、これからがチャンスだね~。
突き抜けよう!

コメントを投稿